独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター

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主な治療法

ボトックス膀胱壁内注⼊療法

当院では、難治性の過活動膀胱と難治性の神経因性膀胱に伴う尿失禁、に対する新しい治療として2020年2⽉から「ボトックス膀胱壁内注⼊療法(ボツリヌス療法)」を開始しました。
過活動膀胱の治療は、⽣活指導に加えて抗コリン薬・β3 作動薬・漢⽅薬などの内服薬を⽤いて治療することが多いですが、なかには、

  1. 治療効果に乏しい
  2. ⼝内乾燥や便秘などの副作⽤で内服薬の継続が難しい

といった患者さんもおられます。

⼀般的に⽣活指導と内服薬による治療を3ヵ⽉程度続けても症状改善が得られない場合に「難治性」と診断します。
このような場合に有効な治療法のひとつとして「ボトックス膀胱壁内注⼊療法」があります。世界90ヵ国以上で既に認可されている治療法ですが、本邦でも2019年12⽉にようやく治療薬として認可されました。
過活動膀胱や神経因性膀胱に伴う尿失禁の治療でお困りの⽅、「ボトックス膀胱壁内注⼊療法」に興味のある⽅は、お気軽にお問い合わせください。

ボツリヌス療法の効果とは?

ボツリヌス療法は、行動療法や飲み薬・貼り薬で十分な効果が得られない場合、または副作用などの理由で治療継続が難しい場合の治療法です。
過活動膀胱では下記の3症状、神経因性膀胱では尿失禁に対して行われます。

過活動膀胱の症状

  • がまんできないような強い尿意が突然起こる症状で、過活動膀胱の患者さんでは必ずみられます。
  • 日中の頻尿と夜間の頻尿があります。

効果は通常、治療後2~3日であらわれ、過活動膀胱では4~8ヵ月、神経因性膀胱では8~11ヵ月にわたって持続します(効果の程度や持続期間には個人差があります)。
効果がなくなってきたら、あらためて治療が必要となる対症療法です。
再投与の時期については医師にご相談ください。

ボツリヌス療法の作用は?治療法は?

過活動膀胱、神経因性膀胱は、膀胱の筋肉が異常な収縮を生じることで起こります。

過活動膀胱 / 神経因性膀胱
過活動膀胱、神経因性膀胱は、膀胱の筋肉が異常な収縮を起こします。

ボツリヌス療法は、膀胱の筋肉をゆるめ、異常な収縮をおさえる作用があります。
治療には膀胱鏡を使用し、異常な収縮が生じている膀胱の筋肉に、20~30ヵ所、直接薬を注射します。

膀胱鏡
膀胱の筋肉に20~30カ所注射

注射は10~20分ほどで終了します。
外来でも治療が可能です。
注射による痛みを緩和するために局所麻酔を使用できます。不安な方は医師に相談してみましょう。

外来でも治療可能
注射は10~20分ほどで終了
グラクソ・スミスクライン株式会社HPより転⽤