独立行政法人労働者健康安全機構総合せき損センター

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主な疾患

前立腺肥大症

前立腺は男性の尿道周囲を取り囲むように存在しています。加齢とともに肥大して大きくなるため、尿が出にくい、頻尿、尿意切迫感などの症状が出現してきます。検査としては、問診、尿流測定(尿の勢い、排尿時間、1 回排尿量などを測定します)、残尿測定、超音波検査などがあります。また治療としては、生活指導(水分摂取量の調節など)、内服薬による治療、手術などがあります。

前立腺肥大症の手術では、一般的には経尿道的前立腺切除術(TURP)が行われていますが、泌尿器科では出血の少ないレーザーを用いた蒸散術(接触式レーザー前立腺蒸散術:CVP)を採用しています。

前立腺とは?前立腺肥大症とは?

前立腺は男性生殖器のひとつで精液の⼀部を作っています。精液中の 20%前後が前立腺液といわれており、精子を保護し精子の活動を活発にする役割を担っています。一般的な成人前立腺の大きさは約 20ml で、「クルミ大」と表現されます。

前立腺肥大症は、この前立腺が肥大して大きくなることでさまざまな排尿に関する症状を引き起こす病気です。膀胱の出口で尿道を取り囲むように存在するため、前立腺が肥大すると尿道を圧迫してさまざまな症状がでてきます。

様々な症例
前立腺が肥大すると尿道を圧迫してさまざまな症状がでてきます。

治療としては、尿道の閉塞を緩和する、あるいは前立腺を縮小させる内服薬を用いることが多いですが、それでも症状の改善が思わしくないこともあります。このような場合、手術療法を検討します。

これまでは尿道から挿入した内視鏡を用いて、尿道内腔から電気メスで肥大した前立腺組織を少しずつ切除する方法が一般的でしたが、近年欧米ではレーザーを用いた蒸散手術が主流となっています。当院も筑豊地区で初めてレーザー前立腺蒸散術を開始しました。強い蒸散力と止血効果を併せ持つため、以前の手術に比べて出血や術後の痛みが少なく、術後の尿道カテーテル留置期間も短くてすみます(通常 1~2日)。

興味のある方はお気軽にお問合せ下さい。

肥大した前立腺
異常に肥大した前立腺。くるみの実くらいの大きさに。

前立腺肥大症の代表的な症状

  • 尿が出にくい(排尿困難感)
  • 排尿時にいきむ(おなかに力を入れる)必要がある(腹圧排尿)
  • 膀胱内の尿を全て排出することができない(残尿感)
  • 頻繁に尿意をもよおす(特に夜間)
  • 急に尿意をもよおす(尿意切迫感)
代表的な症状
前立腺肥大症の代表的な症状